0.5歩目を踏み出そう-Sub Coordinator 吉田 匡-

KSPArticle, Interview

KOCHI STARTUP PARKでは、サブコーディネーターとして参画している吉田さんですが、ご自身の経験を踏まえて「0から事業をスタートしていく上で大切にしていること」を中心にお話を伺いました。

 

──ではまず、吉田さんは普段、どのようなお仕事をされていらっしゃるんですか?

 

4月に会社をつくりまして、週2日ほど東京工業大学研究産学連携本部というところでベンチャー支援の仕組みづくりを行っております。これまで東京工業大学はベンチャー支援をあまりやってこなかったので、これから本格的に取り組んでいこうということで、そのお手伝いをしています。その他には、大企業からスタートアップに至るまで様々な企業の主に新規事業の立ち上げのお手伝いをしています。

 

──会社を立ち上げる4月までには、どのような活動をされてきたのか、経歴を教えていただけますか?

 

3月までは、東京都の東大和市に新たにつくったインキュベーション施設の「BusiNest(ビジネスト)」というところで、アクセラレータープログラムを自ら企画して、立案から運営までほぼ一人でやっておりました。

公的機関の主催するものですので、他のアクセラレータープログラムの様に出資活動ができないという制約がありましたので、うまくいっている所の成長を加速させることよりも、公的機関にしかできないことは何かを考えました。

その結果として、これから本当に何か面白そうなことをやりそうな人を集めて、メンタリングを中心に何とか事業が回っていくところまでを支援するということで、「0→1」か「0→0.5」といった部分の支援をしていました。

BusiNestの珍しいところは、インキュベーターとしての機能があり、インキュベーションマネージャーと言う人間も別にいるんですけど、その一方でアクセラレーターの取り組みを同時にやるという点にあります。公的機関では初の取り組みだということで、非常に注目をしていただきました。

そんなご縁で、高知県の方にもお声掛けいただいて、昨年の10月から「こうち起業サロン」のサブコーディネーターとしてお手伝いさせていただいています。

 

──この度、6月からKOCHI STARTUP PROGRAMがスタートしたわけですが、その前身である「こうち起業サロン」での半年間の取り組みを教えていただけますか?

 

こうち起業サロンは10月から月に一回、様々な方をお招きしてお話をしていただいたり、現在も行っているマイプロだったりを中心に行ってきました。

そもそも、自分の事業を始めて軌道に乗っている方と言うのは、正直そんなに支援は必要ないわけです。それよりも、何かを自分でやらなくてはいけないと考えている方には、手を差し伸べることは非常に大切だと思います。

そういう「何かやりたい」「やらなくては」と考えている人が一歩を踏み出す、というかもっと前のスタートラインに立つ、スタートラインに立たなくても、とりあえず競技場に入るとか、もっともっと手前でスパイクを買うとか(笑)

そのきっかけがつかめる場ができればいいかなという想いで取り組んできました。

 

自分がやれる事は必ずある

 

──吉田さんは、「0→1」「0→0.5」の支援をされてきたということでしたが、事業を起こすこのタイミングで、吉田さんが個人的に大切だと考えていることは何でしょうか?

 

私自身の経歴でいうと、転職人生と言いますか、キャリアが連続しているというよりは、人生3年ごとに新しいことにチャレンジしてきたという人生を送っておりますので、新しいことを起こす時に、どこに着手すべきなのかといた点で、お力になれるんじゃないかと思っているんですね。

大切なことでいうと、メンタリングなどの機会で、完全にアイディアの段階にある方の質問を受けることが多いんですが、「この事業を自分でやっていくんだ」と思っても、自分のことを卑下する方が多くいらっしゃるんです。例えば、「私はこんなことしかしてなかったし」とか「吉田さんみたいに色々やってきてるわけではないので…」とか言われるんですね。

ただ、自信が初めからある人なんて当然ながらほとんどいないんですよね。一方で、自分にできることを何かしてみようといったような、何かを始める能力っていうのは誰にでも必ずあると私は思っています。

最近ですと、やはりみなさん成功モデルなどを本で読んだりネットで見たりするので、こんな風にはできないと自分を卑下する気持ちもわかりますが、そういう人たちもほとんどは、最初から派手に始めているわけではないので、自分ができるところを、一つずつでも、少しずつでも動かしていきましょうというようなお話をすることが多いですね。

 

ですから、何かを始めるとき、ことを起こしていくときに、自分を卑下しすぎず、できるところからまず一歩踏み出してみるという部分は大切にしています。先ほどもお話ししましたが、競技場へ入るとか、スパイクを買うとかそのレベルでも構わないと思います。もっと言えばその競技を見たことがないという人もいらっしゃるわけですね。それでもその競技の選手になりたいと思っている。そういう方は、まず競技を見てみるとか。

自分たちでもやれることと言うのは必ずありますので、やれることからどんどん進めていって、そこで気づきがあれば次のステップへ行けるんじゃないかと思っています。