出かけた先の体験をデザインする-鈴木博文-

KSPArticle, Interview

現在、高知大学に在学している鈴木博文さんは、事業として大学を拠点に学生の行動範囲を拡大させるプラットフォームづくりなどを手がけています。オフィスアワーなど、KOCHI STARTUP PARKのプログラムにも積極的に参加され、日々事業を推進している鈴木さんのこれまでと、事業を推進する上で感じていることを伺いました。

 

クルマがあることで、イメージは一変する

──今回、どのようなサービスを立ち上げようとしているのですか?

“大学生が地域の魅力を発見するためのエンジンになる”というビジョンのもと、「Dream Driving Project」というサービスの立ち上げを進めています。

Dream Driving Projectとは、大学生を対象として大学を拠点にクルマを貸し出すサービスです。大学生がクルマという移動手段を気軽に手に入れ、地域に足を運ぶことを通して、大学生の「学び」の促進、地域の魅力の発見、マンネリ化していた生活からの脱却、地域に足を運ぶ人の増加を促します。

また、コンセプトである “出かけた先の体験をデザインする”ために、本事業ではただクルマを貸し出すだけではなく、地域への外出機会の創出、そして外出先での体験の促進を図っていきます。

 

──そのサービスを立ち上げていくに至った経緯を教えてください。

僕はもともと静岡県浜松市出身なので、高知に来たのは大学に入ってからが初めてでした。高知に来た年の最初の1年間、僕は高知県に対して「なんだかおもしろくないかも…」と感じていました。行動範囲が狭いことで、毎日の生活がマンネリ化していたからです。県外から高知に来て一人暮らしをすると、移動手段は基本的に、自転車か原付、もしくは公共交通機関に限られ、なかなか思うように遠出ができなかったんです。

そんな風に感じていた大学二年生の秋に、車を所有していた友人に「ドライブにいこうよ!」と誘われました。ちょうど秋から冬に季節が移り替わる時期で、星がきれいに見えるということで、深夜に四国カルストという場所に向かいました。

車を走らせること約二時間、目的地に足を踏み入れた瞬間に眠気が吹き飛びました。めちゃくちゃきれいな星空が広がっていて。こんなに星が近くにはっきりと星が見えたのは初めてで本当に感動しました。

その時に、僕が高知県に抱いていた価値観が「高知つまらない」から「高知めっちゃおもしろい!」に変わりました。

このことがきっかけで、“今までつまらないと感じていたのは、行動範囲が狭いことが原因であり、クルマがあれば、色々な場所に出かけられ、高知の魅力に触れることができるのでは”と感じました。

そこから僕は、自分と同じようにクルマがないことで高知に魅力を感じることができていない大学生のために、クルマを利用する機会を増やしたり、行動範囲が広げたりできないかと考えていくようになります。

実際、僕が通っている高知大学は県外から来た学生が八割近くいて、そうなると必然的に一人暮らしが多くなる。そうすると金銭的な理由からクルマを所有する学生が少なくなります。

高知県には市内だけではなく、市外にも、いや市外にこそ本当に魅力的な場所がたくさんあるんです。

でもそれに気づかないで、もしくは体験しないで、たった四年間しかない大学生活を終えてしまうのは本当にもったいないと思います。大学生の間しか高知にいない学生も多い中で、そんな方々にとって、高知が“つまらない場所”ではなく“かけがえのない場所”になってほしいなと、自分がクルマに乗ってあちこち回った経験から感じていました。

そんなことを考えている時、大学の恩師から高知県が主催するビジネスプランコンテストへのお誘いをいただき、このアイデアを持ってコンテストのブラッシュアップ会に参加しました。そこでたくさんの方と出会い、ブラッシュアップを重ねることで、今まで持っていたアイデアを具体的な事業内容として落とし込んでいくことができ、今のサービスへと繋がっていきました。

 

──少しお話の角度を変えて、オフィスアワーのご利用の様子やそこでの感想についてお伺いします。今までオフィスアワーは何回ほど、どのような頻度でご利用いただいていますでしょうか?

基本的にほぼ毎回利用しています。頻度は二週間に一回程度です。

オフィスアワーとは?

『KOCHI STARTUP PARK』では、あなたのアイデアやチャレンジを様々な経験を積んだメンター(共に考える相談者)と共に、イチから検討することができます。

01ビジネスを立ち上げていく最中、そのほとんどは「絶対的な正解」や「確固たる答え」がない領域です。そのため自分自身で強い決定を出すことができず、成果が最大化できずにいる起業家は少なくありません。

また「どこから何をすれば良いのかわからない」と立ち往生している場合もあります。

オフィスアワーで共に検討をさせていただくメンターは、決して正解をわかっている「先生」ではありませんが、全てのプランや事業者と真剣に検討させていただきます。

Office hour

 

──そのサービスを立ち上げていくにあたって、正直困っていることや壁になっているところがあれば教えてください。

サービス開発をしていく中で難しいと感じるのはチームのタスク管理やアクション計画の策定です。今何をすべきなのかを自分で一から考え、タスク化していくことが、今まであまりやってこなかったこともあって、けっこう大変です。

また、行動しようと考えていても、具体的にどんな行動をすべきなのか、その優先順位、それに伴うリスク、どんなスピード感で行うべきか、行動をする上で気を付けるべきポイント等が考慮できておらず、具体的なアクション計画に落とし込めていないことが多かったです。そのせいでアイデアばかりが先行してしまい、頭でっかちになっている節がありました。