「起業が怖かった」銀行員。独立の決め手は計算と勢い:Mizuha

現在、整理収納アドバイザーとコーチング業の二つの事業を立ち上げているMizuhaさんにインタビューしました。高知出身のMizuhaさんは、2018年に5年半勤めた銀行を退職、独立。「起業は怖かった」と話す彼女が現在の道へ進んだ背景は──。

整理収納アドバイザーとコーチングの2軸

Mizuhaです。「整理収納アドバイザー」として活動しています。お片づけや整理収納でお困りの方を対象に、イベントやセミナーを定期的に開催しており、実際にお会いした方からのご希望があれば、自宅へ伺い、お悩みの解決をサポートしています。

また、並行して先日からコーチングに関するサービスもスタートし、現在はこの2つがメインの事業です。


安定した職場から一転、独立へ

私は現在29歳で、大阪の大学を卒業した後に地元へUターンする形で高知の銀行に入社しました。ここに5年半ほど勤めた後、2018年9月に退職して、現在の道に進んでいます。ですから、まだ独立して半年ほどです。

安定した職場環境から独立を決意するのは、正直かなり勇気のいる挑戦でした。周りはみんな会社員ですし、私にとって起業は「生きるか死ぬか」くらいリスキーな選択だったんです。

もともと好奇心は旺盛な方で、学生時代から「何かやってみたい」という漠然とした想いはありました。ヨガ教室へ通ったり、料理を習ってみたり、セミナーに参加してみたり……どれも興味はあったものの、仕事にしたいと思えるほどではありませんでした。というよりも、独立して仕事をするイメージが持てなかったのかもしれません。

そんな私が独立を決断した理由はさまざまありますが、ある1冊の本が大きく背中を押してくれました。女性起業家の宮本佳実さんが書いた『可愛いままで年収1000万』という本。

挑戦的なタイトルですが、この本を読んだことで「お金を稼ぐ」ことのイメージがガラリと変わります。

これまで、人より収入を増やしたいなら、しんどい仕事をたくさんするしかないと思って生きてきました。でもそうではなくて、自分の得意を活かして働くという選択肢を選んで良いんだと初めて知ることができたんです。

「働くっていろいろだ」

それから調べてみると、日本の中だけでも本当に多様な働き方をしている人たちがたくさんいることを知り、自分の視野の狭さを痛感しました。

銀行に勤めていた頃、周りの人たちは「めっちゃいいね」と言ってくれましたし、確かに待遇や給与は平均よりも良いと思います。でも、どこか私のしたいことは本当は違うんじゃないか……と疑問もありました。

そんな時にこの本と出会い、ネット上で整理収納アドバイザーのことも知りました。ちょうどこのタイミングで結婚も決まっていたので、自分がこの先どんな人生を送りたいかを考え直すきっかけを得られたのも幸運でした。

ハウスキーパーとは違う整理収納アドバイザーの価値

整理収納アドバイザーは「ハウスキーピング協会」が資格制度を設けており、1級を取得して初めて、整理収納アドバイザーを名乗って活動することができます。私は退職前の2018年7月に2級を合格し、12月に1級を取得することができました。

一括りに整理収納アドバイザーと言ってもその業態はさまざまです。セミナー講師として活躍する人やお客さんの家に行って片付けを手伝う人、住宅展示場などからの依頼でセミナーを開催する人もいれば、企業の中でそのスキルを発揮する人もいます。

私自身は、まずお片づけ講座を開催することから始めました。そこから興味を持っていただいた方のご自宅へ片付けに伺い、お客さまのフィードバックを受けながらスキルをブラッシュアップしていきました。

セミナーの様子

最近はセミナーも満席が増え、ご自宅に伺う機会も多くなっていますが、整理収納アドバイザーは「家事代行(ハウスキーパー)」ではありません。あくまでも「アドバイザー」なので、必ずお客さま自身に同席してもらい、一緒に整理をしてもらう点に特徴があります。

クライアントからは「子どもが自分で片付けるようになってくれた」との声も

「結局、自分で片付けなくちゃいけないの?」と思われるかもしれませんが、私が片付けて一時的に問題を解決できたとしても、またすぐに元の部屋に“リバウンド”してしまっては意味がありません。実際にこれまでアドバイスをした方々の多くはその後きれいな部屋を維持しています。

リバウンド”しない部屋をつくる秘訣とは?

リバウンドしない理由は、「なぜ部屋が散らかるのか」を理論付けてお伝えしているためです。

その一つに「アクション数」という考え方があります。

例えば、お風呂上りにタオルで体を拭く場面を想像してみてください。タオルが棚の下にある部屋では、「しゃがむ」「棚を引き出す」「タオルを取り出す」「棚を閉める」「立ち上がる」と5つのアクションがあることがわかります。

これを、お風呂から出てすぐ横の棚にタオルをかけておけば、「タオルを取る」というアクション1つで動作が完結します。このようにアクション数を極力少なくすることで散らからない部屋をデザインすることができます。

「定位置管理」という考え方に基づき整理された棚(Before/After)

計算と勢い──怖かった」起業に踏み切れた理由

独立には不安もたくさんありました。周りの人からは「わざわざお片づけにお金は払わんと思う」「部屋がキレイになるのは嬉しいけど、汚いからって別に生きていけないわけじゃない」と否定的な声も多くもらっていましたし、最初から自信があったわけではありません。

一方で、単に勢いだけで立ち上げたわけでもありません。実は、整理収納アドバイザーの仕事は高知でこそあまり知られていませんが、東京や大阪では多くの人が精力的に活動し、一定の需要も存在しています。

東京で需要があるのに、高知で需要がないはずはないと思ったので、単純に高知ではまだ知られていないだけじゃないかと考えたんです。それに、やっている人が少ないからこそ、整理収納アドバイザーとして活躍できるチャンスだと捉えました。(実際に今では「高知 整理収納アドバイザー」で検索すると一番上に私の名前が挙がるようになりました。)

「コーチング」も大きな武器に

整理収納アドバイザーと並行して、コーチング業も行っていると話しましたが、コーチングの考え方がアドバイザーとしての仕事に活きているのも感じています。

コーチングは答えを渡すわけではなく、相手が納得感を持って行動するための手法です。もともと、私自身が「セルフコーチング」といって、自分で自分に問いかけを繰り返していく中で、本当にしたいことや自分の軸を見つけられた経験がスタートになっています。これからも、二つのサービスに磨きをかけていく中で、それぞれに良い影響を与えられたらと思っています。

企業の業務効率改善にも応用できる

現在は、個人の方々に向けてサービスを提供していますが、今後は法人や団体向けにもそれを提供できたらと考えています。

例えば、多くの職場では、オフィスや机の上の整理が最適化されていないばかりに、業務効率が落ちています。そういった課題に対して、空間マネジメントを行い、貢献できるのではないかと考えていますし、今後ぜひ挑戦していきたいです。

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Mizuhaさんも登壇予定の3/23「KSPデモデイ」

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