高知では珍しいアロマ専門サロンを経営、セラピストの独立を支える「シェアサロン」も準備中:月のdrop・宮地知佳

高知市にて女性専用のアロマサロンを経営する宮地知佳(みやじ・ちか)さんにお話を伺いました。宮地さんは、2018年度にKOCHI STARTUP PARKが開催した第3回ステップアッププログラムに参加。当時経営していたアロマサロンとは別に、新たなコンセプトとして掲げた「シェアサロン」の事業化に向けて取り組んできました。

今回は、宮地さんが目指すシェアサロンの構想や、独立前からの歩みを振り返っていただきました。

高知市にてアロマサロン「月のdrop」を経営

施術を行う宮地さん

私は現在、「月のdrop」という女性専用のアロマサロンを経営しています。それをメインに、手作りのアロマ雑貨の制作販売やワークショップの講師、イベントへの出展なども行います。

自身で製作する国産アズキが750g入ったネックピロー、電子レンジで温めて使用できる。

アロマサロンは、2019年9月で、立ち上げてからちょうど3年を迎えました。現在は、月30〜50名ほどのお客さまにご利用いただいています。

ありがたいことにリピーターのお客さまも増えており、7月より高知市筆山の山中へショップ併設サロンとして移転して経営を続けています。

リスクを減らした独立を可能に、「シェアサロン」構想の事業化を目指す

高知市にある月のdropは9月で丸3年を迎えた

私が独立してまもない頃、平日はサロンを経営しながら、週末はそれまで勤務していたアロマサロンでダブルワークをしていました。独立は初めてのチャレンジでしたから、自分でマンションを借りてサロンを経営することが継続できるか不安もありました。

そこで私が現在目指しているサロンのコンセプトが「シェアサロン」です。通常のサロンでは、施術を行うベッドを占有しますが、シェアサロンでは、ベッド単位で各サロンオーナーがシェア利用できます。こうしたコンセプトが実現できれば、私のように不安を感じて独立を迷っているセラピストに対して、リスクを抑えたサロン経営の場を提供することができます。

ちょうど、独立後2年が経ったタイミングでこの構想を事業化しようと思い立ち、偶然目にしたKOCHI STARTUP PARKの「ステップアッププログラム」に参加。アロマの施術やサロンの経営とは全く異なり、これまでにない事業をゼロから立ち上げることになります。サロンの経営と並行して、ユーザーインタビューやプロトタイプの設計などを通して、着実に準備を進めていきました。

また、シェアサロンのもう一つのきっかけはアロマサロンでの働き口の不足です。

実は、高知県内にはアロマ専門のサロンはあまりありません。エステサロンや脱毛サロンのメニューの一部としてアロマを提供している場合がほとんどです。専門のスクールも1校しかありません。その学校でも、私はアロマ資格認定スクールの講師を務めていますが、スクール生や卒業生からも「せっかく卒業してもアロマのスキルを活かせる場所がない」といった相談を受けることも多いです。そうした方々へ、アロマの知見を活かしてはたらくことができる場所を提供したいと思っています。

KSPの事業開発プログラム「ステップアッププログラム」でも、シェアサロンの構想の事業化に向けて準備を進めた。

現在、シェアサロンの展開に先がけて、月のdropでは新たに2名のスタッフを加えました。彼女たちは上でお話しした、私が担当するスクールの卒業生です。現在は、業務委託スタッフとしてうちで経験を積み、ゆくゆくは独立を目指しています。まずは月のdropの中でこうした流れ生み出し、それをシェアサロンの形でより多くの方に提供していきたいですね。

歯科衛生士として10年、客として行ったアロマサロンが独立のきっかけに

私はもともと、10年ほど歯科衛生士として働いていました。しかし、当時は子どもが3歳くらいの忙しい時期で、休みを取ることも難しく、徐々にストレスを抱えながらの働き方になってしまってたんです。

その頃に、自分のストレス解消も兼ねて行ったのが自宅近くにあったアロマサロンでした。お客さんとして初めてアロマの施術を受けた時、とても気持ちよくて、心も身体も癒さたのを覚えています。

次第に、これを仕事にできたら……という思いが募り、併設のスクールに通い始めます。卒業後はそこのサロンで、アロマセラピストとして10年ほど勤務して実務経験を積んでいきました。

そうして実際に働いていく中で、自分が提供したいアロマの施術やシェアサロンなどの目指したいあり方も見えてきたため、独立を決断しました。

独立して3年、働き方と生活は大きく変わった

独立してからは、勤務時代とは時間の使い方も大きく変わりました。

毎日だいたい午前中に簡単に家事を済ませて、10時過ぎから夕方5時くらいまではサロンで施術、家に帰ってからは食事の用意や家族との団らんの時間をつくっています。

大きく変わったのは、予約の空き時間を有効に使えたり、勤務時代よりも講師業やイベント出店などの依頼を受けれるようになった事です。独立して、自分でスケジュールを組み立てられるようになったため、プライベートや家族と過ごす時間も充実してきました。

イベントやワークショップも開催

また今回スタッフが入ってくれたことも大きいです。サロンでの施術は任せられる範囲も増えてきたので、より自分が経営や別の動きを取ることができるようになりました。

もちろんこれまでとは異なり、固定給がなくなり、全てが自分次第になったプレッシャーや責任は感じます。勤務時代には常に埋まっていた予約も、ネームバリューがまだ無い個人サロンでは、ゼロからのスタートです。どうすればお客さんに来ていただけるか、売上と維持費のバランスなど、経営的な部分も経験がないながら考えなければなりません。

それでも、いまはやりがいを感じられ、楽しみながら毎日を過ごせています。

日本統合医学協会認定の認定パートナーに、代替医療分野への進出も視野

アロマサロンは、リラクゼーションのイメージが強いと思いますが、医療分野にも裾野が広がっています。私は現在、日本統合医学協会認定の認定パートナーを務めていますが、医療分野でもアロマは注目を集めているんです。セラピストの中でもそうした分野に関心を寄せる人も増えてきています。

私自身、がんで父を亡くしていますが、闘病中はマッサージや病室にアロマを持って行ったりして個人的にケアしていました。患者さんはもちろんですけど、ご家族の方も不安やストレスを抱えていますから、そうした方々にもアロマが貢献できる部分はあるのではないかと思います。

医療の中で、アロマがより一般的になり、セラピストの活躍の幅が広がれば嬉しいですし、ハードルは高いですが、私も諦めずにその機会を探って情報を集めています。


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