星空に魅せられて、「星を見る」場のプロデュース:sorashiro代表・イワシロアヤカ

星空にまつわる企画やイベントのプロデュースなどを扱う「sorashiro」の代表として活躍するイワシロアヤカさんへインタビュー。

イワシロさんはKOCHI STARTUP PARKが開催する「ステップアッププログラム」の2期生として事業立ち上げの準備を進めていました。

「星のソムリエ®」の資格を活かし、星空にまつわる企画をプロデュース

私が代表を務めるsorashiroでは、星空観察会や講座、座談会など、星空に関するさまざまなイベントの企画運営をしています。最近では、企業や団体が開催するイベントのプロデュースやコンサルティングも請け負うなど、事業の幅を少しずつ広げているところです。

ひとくちに星空にまつわる企画、と言っても内容はさまざまです。例えば3月には高知の日高村にある「霧山茶園」で星空観察会を開催しました。星空ガイドとして私の解説を交えながら実際に参加者に星空観察を楽しんでもらいました。

3月に開催した霧山茶園でのイベントの様子(写真左がイワシロさん)

また、高知の地鶏「土佐ジロー」の専門店「はたやま夢楽」では、土佐ジローを使った料理と畑山の星空を両方楽しむことができるイベントを企画しましたし、その他にも、コタツに入りながらの星空キャンプなど多種多様な企画に関わっています。

11月に開催した「こたつでおきゃく in ONIWA」、こたつ、郷土料理とのコラボ

こうした企画やプロデュースをするにあたり、私自身は「星空案内人(星のソムリエ®)」という資格を取得しています。ワインのソムリエのように、星空や宇宙の楽しみ方を伝える人材です。資格認定機構が認定した講座を受けてレポートや試験を経て取得できます。星のソムリエ®はまだ全国に900人ほどで、私自身も大川村で開講する星のソムリエ®資格取得講座のプロデュースなどもしています。

星空の持つチカラを伝えたい

2019年11月、それまで屋号としていた「star watching design」をコンセプトとし、「sorashiro(ソラシロ)」に改称しました。

手がける事業は星を見る場所や機会をデザインすることですが、根底にあるのは、星空の楽しみ方や価値を伝えていきたいという想いです。モノや情報があふれる日常でも、ふと見上げれば、星が余裕(空白)を作ってくれます。悠久の時を経て届く光には、私たちの心に空いた穴(空白)を満たす力があるのではないかと思っています。星空の持つこうした魅力を「空白」というキーワードで捉え、読み方を変えて「sorashiro」と名付けています。

望遠鏡メーカーに就職、きっかけは子どもの頃に家族で見た星空だった

愛媛県出身の私は、大学を卒業後、新卒で埼玉県の企業に就職します。それが、天体望遠鏡や双眼鏡などの光学機器を製造する株式会社ビクセンでした。

株式会社ビクセン(ウェブサイトより)

星空に興味を持ったのは、アウトドア好きだった父の影響が強かったと思います。子どもの頃は、よくキャンプに連れて行ってもらって、星や自然を身近に感じる機会を与えてくれました。ビクセン入社前、実は星空とは全く関係のない他の会社に内定をいただいていて、そこへ就職する予定でした。ただふとこの先自分が何をしたいかを考えた時に、幼少期から好きだった星空に関する仕事をしてみたいと思ったんです。小学生の頃に買ってもらった望遠鏡がビクセン社製だったことを思い出し、当時、表立っては新卒募集をしていなかったビクセンに連絡を取り、面接を経て入社することになりました。

ビクセンでは天体望遠鏡や双眼鏡を使った星空案内や、星を楽しむ旅行プランやイベント企画を数多く手がけていました。今のsorashiroの事業も、ここでの経験が非常に活きています。

ビクセンで5年弱働いたのち、結婚を機に退職し高知へ移住。「世界を見て回りたい」と考え、アジア横断ひとり旅を敢行しました。その旅の中でも、各地の星を眺めているうちに、自分はやっぱり星空が好きなんだな、と再認識させられました。そんな経緯もあり、帰国後に独立して星空に携わる事業を作れないかと思い立ち、KSPのステップアッププログラムに参加。1年間は県の臨時職員として働きながら、事業の立ち上げに向けた準備やトライアルを重ねていきました。

星を「見せる」から「見る場を作る」に

とはいえ、実際に事業を作る上ではハードルもあります。多くの人にとって、星を見ることは文化として根付いていません。映画を見たり、カラオケに行ったりするように、お金を払って星空を見に行こうと思う人はまだまだ少ないのが現状です。見ようと思えば、誰でも自由に見ることができるのが星空の魅力でもあり、事業にする上での難しさでもあります。正直、ただ「星を見せる」だけで事業を成立させるのは難しいと痛感しています。

だからこそ、いま私が目指しているのは、星を「見せる」だけではなく、星を「見る場を作る」こと。これまで、ビクセン時代と自分で事業を始めてからの2年間での経験から、星に関する企画のポイントや方法論を自分なりにつかむことができました。これを活かしてプロデュースやコンサルティング業務に携わっていきたいと考えています。

星空は旅と一緒、リアルな体験で人生は豊かになる

今ではネットや動画サイトで綺麗な星の映像を見たことがある人は多いでしょう。そこから1歩踏み出し、実際に自分の目で、ホンモノの星を見てもらうというリアルな体験を通して価値を提供したいと私は考えています。旅と一緒で、その場に行って何かを食べたり、現地の人と仲良くなったり、暑さや寒さを感じたりすることこそが、人生を豊かに拡げていくのだと私は確信しています。

これからもより多くの人に星空の魅力を知ってもらえるように、体験の場を作っていきます。

sorashiroのウェブサイトはこちら>

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