高知の風物詩「よさこい」の課題を解決、チームをつなぐメディア型プラットフォーム:高知よさこいチーム図鑑・中野雅允/古賀光弘

高知が日本に誇る文化である「よさこい」。夏に開催する「よさこい祭り」は開催から60年以上を迎え、観光庁の発表によると2018年には115万人もの来場がありました。そんなよさこいの課題解決に挑む中野雅允(なかの・まさみつ)さんと、古賀光弘(こが・みつひろ)さんにお話を聞きました。

おふたりは、KOCHI STARTUP PARKが今年前半に開催したステップアッププログラム、デモデイでもこのアイデアの事業化に向けて準備を進めてきました。

11月に「高知よさこいチーム図鑑」リリース

中野:私たちが運営する「高知よさこいチーム図鑑」は、よさこい祭りのチームに特化したウェブメディア兼マッチングサイトで、2019年11月にリリースしたばかりです。

ウェブメディアとしてはチーム情報や普段あまり知られていない活動を発信する機能を持っています。また同時にそのサイト内で、チームを探している踊り子さんやスポンサーと各チームをマッチングする機能も追加しています。

現在はトライアルとして知り合い経由での紹介などから約10チームほどに登録いただいている状態です。

盛り上がりを見せるよさこい祭り、課題も……

古賀:よさこい祭りが高知で生まれて60年以上。毎年約200チームが参加していて、踊り子だけでも2万人ほどの規模に成長しています。

このようにお祭り自体は盛り上がりを見せる一方で、各チーム運営者に話を聞くと、課題も見えてきます。よさこいの踊り子が集まらなかったり、有名チームの影響力が大きいために小さなチームの発信が埋もれてしまったり、またチーム運営にかかる費用を捻出するスポンサー集めがうまくいかなかったり……。

11月に開催のKSPデモデイで登壇した中野さん

中野:実は僕自身も同様の課題を抱えていました。それがこのサービス開発につながっています。高知出身だった僕は、就職で一度県外へ出た後、Uターンで再び帰ってきました。その時、せっかく高知へ帰ったならよさこいをやってみたいと思っていたんです。でも、ネット上で探してもほとんど情報はないし、どこのチームが自分に合っているのか全く判断できなくて。そうこうしているうちによさこい熱も冷めてきて、結局やらないまま、7〜8年が経って今に至ります。

私のように、せっかく踊りたいと思ってもチーム情報が見つからずに諦めている人も多いと思うんです。

魅力発信で、誰もがよさこいを楽しめる文化づくり

古賀:実際、ウェブ上で踊り子の募集をしているチームは少なく、多くがスーパーや商業施設においているチラシからの受付です。これでは、なかなか自由にチーム情報を探すことはできません。

また、僕は佐賀出身で2年前に高知へ始めてきたんですが、1年目によさこい見た時、全く楽しめなかったんですよ。目の前で踊っているチーム名すらわからない状態で「これ、どうやって楽しむの……?」と。そんな中、地元の人たちは有名チームの追っかけをしたりしていて。地元の人たちと同じようによさこい祭りを楽しめないものかと、若干モヤモヤし多気持ちを抱えていたので、初めて中野さんからこのメディアの構想を聞いた時に素直に共感できました。

運営主体ではなく、各チームの更新がサイト全体を盛り上げる

中野:当初、私たちは高知県内のチームにしぼった運営を想定していましたが、当初の予想を超えて、高知県外からのチーム登録もありました。よさこいという文化が全国へ広がっているのを感じますし、そういった県外チームも含めて、よさこい文化全体を盛り上げていけたらと思っています。

また、高知よさこいチーム図鑑の特色は、メディア運営者が主体になるのではなく、各チームが一つのウェブサイトを運営する点にあります。サイトのアカウントをチームに渡して、発信自体をチームに預けたいと思っているんです。そうすることでチームは常に最新の情報を更新できますし、掲載して終わりにならずに済みます。そういう各チームの動きとともにウェブサイト全体が盛り上がり、ここを見ればいつでも自分にあったチームの情報を見つけられる状態を作りたいんです。

2020年夏のよさこい祭りまでにサービス普及を目指

中野:まずは多くの人にこのサイトを使ってもらうことが一番ですね。事業化、収益化はその次です。

私たちは、チーム側にお金を支払ってもらうつもりは全くありません。現在考えている収益モデルの一つが、アカウントモデルです。

よさこいチーム図鑑のように、みんなで一つのウェブサイトを運営していくこの仕組みって、実は今まであまりなかった試みだと思っています。この仕組み自体をよさこい以外にも横展開できないか、と考えています。

例えば商店街で一つのウェブサイトを作って、それを運営する中で、各店舗がセール情報などを更新してサイトを盛り上げていけば、商店街の集客や活性化にも一役買えるかもしれません。現時点では構想レベルですが、将来的に目指すべきモデルの一つとして模索しています。

古賀:とはいえまずは認知を増やして、チーム登録者数や協力を増やしたいと思っています。来夏のよさこいまつりが開催するときにはサービスが浸透している状態を目指したいですね。

中野:上でも話しましたが、ゆくゆくは、よさこいに限らずさまざまな地方の課題を解決する事業を展開できたらと思っています。よさこいもそうですが、ローカルな地域では情報が少ないことでの課題やミスマッチがたくさんあります。

今回の高知よさこいチーム図鑑がその第1弾になればと思っています。

高知よさこいチーム図鑑はこちら>

中野さん、古賀さんも参加したステップアッププログラム第6期が参加受付中(1/19締め切り)

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