2019.01.29 エリオクエスト代表・濱田征太郎さん
高知で、植物の生育から販売までを手掛けているERIOQUEST(エリオクエスト)代表の濱田征太郎(はまだ・せいたろう)さんへインタビューしました。濱田さんはKOCHI STARTUP PARKが実施するプログラム「マンツーマンメンタリング」を通じて事業推進を共にしています。趣味が高じて起業に至ったという濱田さんのこれまでを伺いました。
600種類もの「珍奇植物」を取り扱う
私は、ERIOQUEST(エリオクエスト)という植物販売の事業を行っています。主に、南アフリカに自生しているさまざまな植物を取り扱っています。南アフリカの植物は見た目が面白く、個性的な植物が多いのですが、エリオクエストでは約600種類ほどを取り扱っています。メインはオンラインでの販売です。
自宅前にあるエリオクエストの農園
販売している植物のほとんどは、高知にあるエリオクエストの農園で、株分けや種から生育したものです。輸入した株も十分日本の気候に適応していると判断した上で商品にしています。
南アフリカの植物は、意外と高知で育てやすい
南アフリカの植物を取り扱っているのは、単純に私が好きだったからです。初めは多肉植物を中心に取り扱いを行い、そこから取り扱い品種を増やしていくうちに、南アフリカの植物が好きになりました。
「エリオクエスト」という名前も、アフリカ大陸に自生しているスズラン科のある属の名前「エリオスペルマム」と「クエスト」を合わせた造語です。響きが気に入っています。
「アフリカの植物を全く異なる日本で育てるのは難しいんじゃないの?」と聞かれることもありますが、高知県は南アフリカの気候は似ていて、実は南アフリカの植物を育てやすい環境なんです。
とはいえ、日本には四季がありますから、冬の寒さには気を配る必要がります。特に高知の冬は寒く、真冬にはマイナス5度を下回ることもあります。寒さから守るために、冬はビニールハウスを二重にするなど保温のための工夫を施して、生育環境を整えています。
全部で600種類の植物を育てていますが、そのほとんどの基本的な育て方は同じなんです。3日に1度水をやり、2年に1度植え替えして種をまくという流れで育てていきます。農場の面積は約8㎡ほどですが、全て1人で世話をしています。
高校時代の趣味が起業のきっかけに
植物を育てることが好きなので、日々の世話を苦だと感じたことはありません。このエリオクエストの事業も、もともとは自分の趣味でした。
高知出身の私は、大学時代に海外の大学に留学し、その後日本に戻って大学を中退。地元で就職をしていました。ただ、職場が合わず、半年でほどで退職し、起業の道を考え始めるようになります。
起業自体をそれほどハードルが高いものだとは捉えておらず、退職して次にどうするかと考えた時に、自然に出てきた選択肢でした。留学などの経験から、新たな環境に身を置くことへの抵抗感が人よりも少なかったのかもしれません。
とはいえ、今の事業がすぐに決まったわけではありませんでした。事業アイデアは全くなく、とにかく楽しいことがしたいという思いがスタートでしたから、いくつかの事業の構想を練ったり、つまづいたりを経験してたどり着いたのがエリオクエストでした。
人とは少し違った趣味かもしれませんが、高校生の頃から植物に興味があり、気に入った植物を育てていて、この時の経験がそのまま事業になっています。
世界的に珍しい植物も
忙しい日は、植物の世話で、1日中畑にいることもありますが、だいたいは、お昼から夕方まで畑で作業をして、そのあとは家に帰ってオンラインショップの管理などパソコンで作業をしています。基本的にはウェブの受注管理なども自分一人で運営していますが、必要なタイミングで友人の手を借りるなどしながら運営しています。
instagramでも日々、それぞれの植物の魅力を紹介している
オンラインでの販売がメインのため、日本全国から注文をいただきます。また、世界的に見ても南アフリカの植物を専門に取り扱う業者はかなり珍しく、エリオクエストでしか取り扱っていない種類もあるので、台湾や韓国などの海外業者が大量に買い付けていくこともありました。
うちの場合は、特に冬に育つ植物を多く扱っているので、今の時期が繁忙期で、通常期の2倍ほどの注文が入ります。
今後の展開
最近では、楽天やヤフーのネットショップに出品するなど新たな販路も開拓し、より多くの方に商品を届けるために動いています。それと同時に事業開始4年目を迎え、リピーターの方々も徐々に増えています。やはり一度買っていただければその魅力を分かってもらえるようです。
楽天市場でもさまざまな切り口で商品を扱っている
珍しい植物は育てるのが大変なイメージがあるようで、どうしても敬遠されてしまいがちです。エリオクエストを通じて、「意外と気軽に育てられるんだ」ということを知っていただけるよう、これからも動いていきたいと考えています。
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見た目が面白く日本では希少な植物の取り扱いが多いので、記念日などにちょっと変わったプレゼントとしても良いかもしれませんね。
ERIOQUEST(エリオクエスト)のウェブサイト、取扱いサイトはこちら
https://www.erioquest.org/index.php/