~一般社団法人 MOMO CO-CREATION 土居 桃子 さん~
事業を通じてお母さんやお子さん、保育士さんをサポート
今回は、一般社団法人MOMO CO-CREATIONの代表理事である土居 桃子さんにインキュベーションマネージャー(IM)池上がインタビューしました。
土居さんは、0~6歳までの子どもたちの「自分はできる」の自尊心を育てる【絵を聴く保育アドバイザー】などで幅広く活躍されています。
■自らの研究結果を出版
私は、25年間勤めた保育士を事情があって辞めました。
ただ、これまで積み重ねてきた「子どもたちの絵の魅力」の研究結果を活かせなくなるのがもったいと思いましたので、自分の研究したことをまとめた本を書くことを決意し、出版社の協力を得て、大変ではありましたが無事出版できました。
■KSP、ビジネスプランコンテスト等で事業計画を磨く
保育士を辞めた後は介護職員として働くと同時に講師業を行っていましたが、知人からの勧めで高知県の主催するKSPを紹介していただき、まずは毎週実施されている「起業相談」に相談に行きました。
「起業相談」では「土佐経営塾」(ビジネス研修)への参加や自分の事業計画を磨くために、ビジネスプランコンテストに参加することを薦めてもらいました。
「土佐経営塾」では、グループで与えられた課題に取り組んでいきますが、グループの皆さんの意見を聞く中で、講師の仕事だけでなく、他のこともしなければいけないなと気付きました。
ビジネスプランコンテストでは、一般社団法人を立ち上げて講師を育てるためのインストラクター講座を実施するというものを発表し、優秀賞を受賞して、賞金も獲得することができました。
■コロナ禍で動画講座に挑戦
コンテストに参加した翌年の2019年(令和元年)10月に開業しました。開業後は、テレビや新聞に取り上げていただき、東京、北海道などでもお仕事をいただきました。
新型コロナウイルスの感染拡大により仕事をすることが難しい環境とはなったものの、動画講座に挑戦したところ、ベストセラー講師になることができました。
動画講座を作るまでに色々な苦労がありましたが、今ではzoomセミナーのノウハウも確立し、時代に対応した形にしています。
■悩みをもったお母さん同士がコミュニケーションを取れる場所を
子どもが0~1、2歳くらいの間にできるお母さんとの絶対的な信頼関係はとても大切です。ただ、現在はその信頼関係が薄くなってきていると感じます。
お母さんが育児ノイローゼになったり、育児のことがわからなくなっていることも原因のひとつではないでしょうか。
お母さんたちも必死なので、子どもたちも行動を規制されてしまっている状況です。
保育士さんも親御さんとの関係がうまくいかないとか、職員さん同士の人間関係にも影響し、大変な思いをすることがあります。
そこで、一人一人がサリヴァン先生のような素晴らしい人に出会えたら、困った方を救えるのですが、私一人では難しいので、私のような人を沢山増やそうと思ったのが一般社団法人を立ち上げようと思ったきっかけです。
一般社団法人の名前は、「MOMO CO-CREATION」としました。ミヒャエルエンデ モモという大人も癒される物語があり、ちょうど私も桃子という名前なので、モモとコクリエーション(共創して作り上げるという意味)を合わせて命名しました。
悩みをもったお母さん同士がコミュニケーションを取れる場所も提供したいと考えており、現在、廃園になった保育園を活用できないかと交渉しています。
■「子どものわかってほしい、受け止めてほしい」という部分を感じ取ることが大切
絵を見るとその子の状況がわかります。4万枚ほど絵を見た経験から、子どもの様子と、園との関係性がわかります。
「子どものわかってほしい、受け止めてほしい」という部分を感じ取ることが大切です。
また、コロナ禍で状況が変化していく中、自分で食べるものを自分で作る能力を身につけるということも大事だと考えました。
自分で作る方法を子どもの時から知っていたら、自分で作って食べるということが身に付き、また、微生物のことや、エコな暮らしについても学べると思います。
今後は「絵を聴く保育」のコンサルティングをやっていきたいです。また、講演の繁忙期以外は、農業活動やお母さんのサポート、登校拒否の子どもさんと一緒にご飯をつくることが体験できる場所を提供する活動などをしていきたいと考えています。
MOMO CO-CREATIONのHPはこちら
文責/池上 幸男