「起業アイデアブラッシュアップコース(下期)」を開催しました!



こうちスタートアップパーク(以下「KSP」)では、ビジネスの基礎を固めながら、自身の起業アイデアをブラッシュアップすることを目的に、12月2日から約3ヶ月間、全5回の連続講座「起業ブラッシュアップコース(下期)」を開催しました。
「ずっと専門職として働いてきたが、もっと自分で何かできるのではないか」「起業をして地域の人々に貢献したい」といった、県内で起業を目指す方々が参加をしました。



“DAY1 取り組みたい課題を明確にする ― 顧客と課題”
 

初日の講師は、(株)アルファドライブ取締役の古川央士さん。古川さんは、学生時代に起業をするものの事業が空中分解してしまった経験から、真面目にビジネスを学びたいとリクルートに入社、新規事業に取り組んでこられました。自ら多くの起業や新規事業の立ち上げを経験してきた古川さんの話に参加者の皆さんは、開始早々、引き込まれている様子でした。

講座では、よくある事業計画書の“悪い例”を参考にしながら、事業計画の根本である「顧客と課題」についてしっかり学んでいきました。実際に「顧客と課題」を設定し、グループワークを実施。参加者の皆さんからは「ヒアリングの大切さ」や「実際に提供されているサービスでも課題が残っていれば、それがビジネスのタネになる!」といった意見が出るなど、活発な意見交換が行われました。

そして、学んだことを活かして自ら「初期の顧客課題」を設定、グループで発表を行い初日は終了。古川さんからは、次回の講座までに、それぞれ顧客課題をブラッシュアップしてくるよう宿題が出されました。


講座修了後は、交流会を開催。皆さん初対面にもかかわらず、自身の事業計画などについて意見交換を行うなど、大変盛り上がりました。


(DAY1の様子)


 

“DAY2 仮説検証の方法を学ぶ ― ヒアリング・プロトタイピング”
 

2回目の講師は、(株)アルファファドライブの白杉大さんです。白杉さんは、車好きということもあって、中古車販売支援のコンサルティング業を経験、その後、数々の新規事業の立ち上げを行ってきました。現在も社内の新規事業を手がけており、今回参加された皆さんに、自身がこれでまで学んできたことを伝えていきたい!と開始早々、熱く語ってくださいました。
 

まず最初に、前回の宿題である「顧客課題」について、それぞれが発表を行い、講師からフィードバックを受けました。顧客課題の設定にあたって重要なのが「ヒアリング」です。しかし、相手から対価をもらうためには、どんな顧客課題でもよいわけではありません。ヒアリングを通じて、手放す課題、そしてそれを決断するタイミングの大切さについて学びました。そしてヒアリングを進める上では聞き方も重要です。どのような質問を顧客にするべきかをみんなで一緒に考えていきました。

このほか、ヒアリングの際に相手に安心感を与える方法などについても学び、参加者同士で実践。自身の感じたことをお互いにフィードバックすることで、参加者からは「体験することで学びがあった」「対面ならではの良さがあった」といった意見が出ました。


そして、今回学んだことを活かし、次回の講座までに3名以上にヒアリングを実施するよう宿題が出されました。

(DAY2の様子)

 

“DAY3 ビジネスモデルの構築”
 

3回目と4回目の講座はオンラインで開催、講師はどちらも(株)アルファドライブの宇都宮竜司さんです。宇都宮さんは、企業内で新規事業の立ち上げを経験後、自分でも起業をしたいと思い会社を設立。講座開会にあたって宇都宮さんから参加者の皆さんへ「なぜ儲かるのか」という利益の構造を語れるようになって欲しいと話がありました。

ず、前回の講座で学んだ顧客へのヒアリングの宿題について、参加者から報告をしてもらいました。皆さん、時間の限られた中ではありましたが、対象となる顧客にヒアリングを実施し、具体的な課題を聞くことができていました。

今回の講座の目的は、冒頭で宇都宮さんからも話しがあった「儲かる仕組みとはなにか」を考え、儲かる仕組みを因果関係をもって説明できるようになることです。儲かる仕組みを作ることこそがビジネスモデルではあるものの、ビジネスの初期段階では抜け落ちがちです。特に、ビジネスモデルにおける「価格設定」は失敗しがちです。自身も失敗した経験がある宇都宮さんの説得力ある話に、皆さん熱心に耳を傾けていました。

その後、事例をもとに価格の設定を行い、グループで発表、フィードバックを行いました。オンライン講座であったものの3回目ということで皆さん、遠慮なく意見を出し合いました。

最後に、ビジネスモデルを図解する手法について学習。事業を行う上で、顧客以外にも出資者やビジネスパートナーなどにもビジネスの内容を理解してもらう必要があります。このような場面で非常に役に立つのが図解です。


この後、次回の講座までの期間で、個別のメンタリングが実施されます。メンタリングに向けて、皆さんいつも以上に質問をされていたのが印象的でした。


 

“DAY4 マーケティング・PR”

前回に引き続き、今回の講師も(株)アルファドライブの宇都宮さんです。前回はビジネスモデルについて学習、今回はそのビジネスモデルにおける自身のサービスを「どこで販売するのか」そして「どうやってそのサービスを知ってもらうのか」について学んで行きます。冒頭、宇都宮さんからは、その重要性について具体例を交えながら丁寧に解説いただきました。

まず「顧客の獲得コスト(CAC)」と「ひとりの顧客がもたらす生涯の利益(LVT)」について学習。それぞれ仮説を立てて、CACとLTVをワークシートを活用しながら考えていきました。参加者からは「難しい」という声も聞かれました。

今回の講座では、設問ごとにグループワークを行い発表するという時間が何度もあり、お互いに感想を伝えあうことで、参加者同士より一層交流が深まった様子でした。また、オンラインの講座ではあったものの、参加者からもたくさん質問があがり、自分のビジネスについて真剣に考えている姿勢が伝わってきました。

最後に、宇都宮さんからは「どうしようか考えるよりも、最初の顧客に心から満足してもらうことが大切」という力強いメッセージがありました。皆さん、初心を忘れず、目の前の顧客に満足してもらうことの大切さを改めて感じていました。

(DAY3,4の様子)

 

“DAY5 プレゼンテーション”


最終回は「プレゼンテーション」をテーマに(株)アルファドライブの平尾穣二さんに講師を務めていただきました。平尾さんからは、起業をする上では仲間を増やすこと、そして仲間や金融機関等に分かりやすく事業を伝えることが必要であり、まさにプレゼン力は起業家として重要なスキルのひとつであると説明がありました。

まずは、「高知の訪れてほしいおススメスポット」というテーマでテンプレートを用いてワークを実施、型があれば分かりやすく短く伝えることができるということを体感的に学んでいきました。

プレゼンテーションの際は、しゃべりすぎてしまったり、聞き手が知りたい内容と異なることを答えてしまうことがあります。まずはフォーマットに沿ってしっかり考えていくことで、ちょっとしたミスを防ぐことができます。

またプレゼンテーションの資料は、情報を詰め込み過ぎないこともポイントのひとつです。発表者だけが知っている現場の声などの一次情報は、資料ではなく、説明の中で補足として盛り込み、伝えることで、聞き手を引き込むことができます。聞き手にとって一次情報は、とても重要な情報であり、皆さんメモを取ったり、質問が挙がったりとプレゼンテーションが盛り上がります。皆さん、熱心に耳を傾けながら、発表時の手法についても学んでいきました。

最後に、プレゼンテーションの目的は「相手にその気になってもらうこと」だと平尾氏は強調。仲間になってもらうため、融資をしてもらうためには、相手の気持ちを巻き込むようなプレゼンテーションが重要であるということを説明いただきました。

(DAY5の様子①)


(DAY5の様子②)


 

今回で全ての講座が終了、全員から全5回の感想を発表いただきました。すでに学んだことを実践、売上を上げている方もいるなど、皆さんの成果や行動力に運営側も驚かされることがたくさんあり、これからの活動が楽しみになりました。

KSPでは、今後も様々なプログラム等を実施していきます。皆様の参加をお待ちしています。